「計測器」の点検・校正の重要性

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研究開発や試作評価、検査など、「計測器」は様々な業務で測定を行う際に用いられています。物づくりを行うにあたって、品質保持のためには、正確な測定が欠かせません。計測器は、そんな重要な測定業務を助ける、なくてはならない機器です。

通常、道具はどんなものでもメンテナンス・管理を必要とします。これは、計測器も例外ではありません。特に、安全に使用するための「点検」と、測定数値の正確さを保証するための「校正」は、定期的に行うことが推奨されます。

点検を行わないとどうなる?

道具は、使い続けることによる性能の低下が避けられません。計測器の場合は、長期的に使用することで、機器が摩耗・劣化していき、故障に繋がります。本来は点検によって機器を清掃し、使用に耐えられない部品は交換しなければなりません。しかし、点検を行わないということは、必要な清掃を行わず、また、機器の摩耗・劣化にも気付かないということです。そのため、予期しない早さで機器が故障し、不具合が発生する可能性があります。点検は、使用前に日常的に行う「日常点検」と、1週間、1ヶ月、1年に1度などの期間を定めて行う「定期点検」の両方を行うようにしましょう。

日常点検では、以下の部分を点検します。

1、校正期限
2、スライダーの滑らかさ
3、計測面の隙間、平行度
4、ゼロ点(基準点)のずれ

定期点検では、日常点検では行えない「記録部」「試料大気流路部」「液・ガス流路部」「検出部」「周辺部」などを点検します。ただし、場合によっては校正作業や部品交換が必要になるため、機器について熟知していなければなりません。そのため、業者に依頼して実施するケースがほとんどです。

校正を行わないとどうなる?

計測器が表示する値と、実際の値に生じる差は、性能の良し悪しに関係なく、購入時からの時間経過で変化する可能性があります。この差がどれほどのものか、購入時から変化しているのかいないのかを確認するために、校正は必要です。校正を行わなければ、信頼できる測定数値が得られません。校正を行っているということは、測定数値に信頼が置けることを意味します。

校正業務の内容とは

校正には、社内で認定された校正者が実施する「社内校正」、社外のJCSS(計量法に基づく計量法トレーサビリティ制度)登録校正事業者に依頼する「社外校正(引き取り校正)」、JCSS登録校正事業者から、社内に専門員を派遣してもらい、実施する「出張校正」の3つがあります。いずれの方法をとるかは、機器を使用している企業に委ねられます。中には、法人間の計測器売買仲介業者「Ekuipp」のように、計測器購入後のアフターケアとして、校正業務を行っている業者もあります。

近年、企業は顧客に対して、測定結果の信頼性を証明する必要性が高まっています。そのためにも、計測器の不具合に対応するための点検業務と、測定結果に客観的な信頼性を持たせる校正業務は重要です。計測器を使用する企業は、自社製品の信頼性を維持するためにも、これらの業務を怠らないようにしましょう。

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